Wキャリアとは?
ダブルキャリアって何??
猫エイズと猫白血病のどちらのキャリアも
もっている猫の事を言います。
■猫エイズ
正式には「猫免疫不全ウイルス感染症」または
「猫後天性免疫不全症候群」と呼ばれます。FIV(Feline Immunodeficiency Virus:猫免疫不全ウイルス)というウイルスによって引き起こされ、猫が免疫不全になる感染症です。
通称で「エイズ」と呼ばれていますが
ヒトのエイズウイルス(HIV)が猫に感染することはなく、逆に猫エイズのウイルス(FIV)がヒトに感染することもありません。
猫エイズは「この症状が必ず出る」というわけではなく、
猫の免疫機能が抑制されることによって、全身にさまざまな症状を起こす可能性があるのが特徴です。
また、一度このウイルスが体内に侵入すると、完全には排除できないので、ウイルス保有個体(キャリア)として生活していかなければなりません。
ですが、猫エイズの場合は寿命を全うするまで、発症せず穏やかに暮らせる子も多いです。
■猫白血病
ウイルスは感染猫の唾液、糞便、尿、鼻汁中に存在するウイルスによって伝播します。特に猫同士のケンカによる咬傷や舐め合いによって感染することがほとんどで、主に唾液を介して感染します。経乳感染・胎盤感染、食事や食器の共有による感染もあり得ます。また、生後FeLV抗原陽性の母猫が子猫を舐めることによっても高率にウイルスが伝播します。
白血球や赤血球などの血液細胞は骨の中にある骨髄で作られています。
猫白血病ウイルスが骨髄に侵入し、正常な白血球が作れなくなります。
その結果、異常な白血球が、過剰に作られてしまう状態を言います。
極度に免疫力が下がることで、健康なときには問題とならないような常在菌すらガードできなくなり、重篤な症状を起こします。
猫白血病ウイルス感染症は、「白血病」の名前が入ってはいますが、症状としては白血病の他にも、免疫不全や貧血、リンパ腫など白血病とは異なる病気を引き起こすことも多くあります。
白血病を含めて「FeLV関連疾患」といわれるこれらの病気を発症した場合には、残念ながら完治することは難しく、数ヶ月から数年で死に至る感染症です。
このどちらのキャリアも持っている
ダブルキャリアの猫達は里親さんに出す事が難しく、同じキャリアの先住猫さんがおられるご家庭か、猫を飼っていないご家庭のみに限定されてもしまうので、譲渡に出る子はほんのごく一部で狭き門になっています。
Wキャリアの子は、ノンキャリアの子よりも
寿命も短くなってしまうので、ななかなかこの病気の特性を理解し、里親さんとして挙手して下さる方も少ないのが現状です。